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海外の派遣事情
更新:2011年11月15日

【フランス共和国】 - French Republic
【ドイツ連邦共和国】 - Federal Republic of Germany
【オランダ王国】 - Kingdom of the Netherlands
【中華人民共和国】 - People's Republic of China
【大韓民国】 - Republic of Korea
【アメリカ合衆国】 - United States of America
【英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)】
    - United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
【その他】 - other countries

1)
各「国名」及び「人口」は、外務省HPの「各国・地域情勢」掲載情報及び、厚生労働省「海外情勢報告」に依った。
2)
フランス共和国、ドイツ連邦共和国、オランダ王国、大韓民国の情報は、平成17年10月に当協会より各国人材派遣協会に対して依頼した調査票への回答を基に適宜、他の資料を参照に作成している。
3)
アメリカ合衆国、英国の情報は、一部現地取材と独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)による「海外労働情報 テーマ別国際比較 『請負・派遣』」の引用とを基に適宜、他の資料を参照に作成している。
4)
中華人民共和国に関する情報は、中国の人材派遣協会から収集した資料及びヒアリング調査を基に作成している。
5)
その他の国に関しては、CIETT(国際人材派遣事業団体連合)の資料に基づいている。
 
なお、当協会としては翻訳や情報の確認など最善を期しましたが、図らずも誤訳・誤解にて内容に誤謬がある可能性があります。つきましては、お気づきの点があれば下記までご指摘をお願いしたいと思いますのでどうか宜しくお願いいたします。
[一般社団法人日本人材派遣協会 Tel.03-3222-1601 お問い合わせフォーム]
 
 
【フランス共和国】 - (French Republic)
[人口]   6,227万人(2008年)
(出典:IMF「World Economic Outlook Database, October 2009」)
[歴史]   ・派遣事業に対する最初の法律は1972年まで遡る。それ以降、原則部分は同じまま、何回か変更された。特に、派遣契約の許容期間や、派遣先による派遣労働者の使用理由に関わるところである。多くの団体協約が法律に加えて、派遣労働者に対してより一層の生活保護をする条項を加えている。
・派遣に関する法律は、最近になって大きく変更された。2005年1月18日の「社会的な結合枠組み法令」(Social Cohesion Framework)は、公式に国の職業紹介による雇用独占の終了を宣言し、派遣会社を職業紹介事業者、そして国の雇用サービスの貢献者として認知した。今や、派遣会社(そして職業紹介会社)は、期間制限のある契約(派遣)や期間の定められていない契約(紹介)の仕事を提供することができる。
[法律]
労働者派遣事業を管理・規制する法律 法律名称 労働者派遣に係わる1990年7月21日法
(労働法に含まれている特別法(TN9901201S)による規定はある。派遣会社は他の普通の会社と違うため、特定の義務が適用される。特に、労働雇用省に、財務が保証されていることや通常の全ての業務内容を当局まで報告しなければいけない。
しかし、評価はまだ定まっておらず、過去の改正の努力によって、ここ最近変革が見られる。今まで(少なくとも公式には)、派遣会社は期間の定められていないスタッフが働く職場を含めて、職場に労働者を配置することは国に妨げられていた(FR0506105F)が、それは過去の話となった。
その結果、派遣会社の活動は、派遣労働者を送り込むという点については、厳しく制限はされていない。
  上記の影響 人材派遣は長期間に渡って際立った発展を遂げた。様々な法律が関わりながら、職業斡旋業者に影響を与えてきた。言い換えると、2005年1月まで公的な権力が独占的に調整を行ってきたのである。
・派遣会社は就職支援会社を代表するまで、全体の一部を占めるような地位にはいなかった。1994年までに派遣会社は国営職業紹介所、ANPE (Agence Nationale pour l’Emploi)、と事実上の提携契約を結んだ。この提携は、派遣会社に、ANPEに登録された未就業の人々の契約の申し込みを可能にし、また、スキル評価テストや職業訓練、ANPEと共同のサポートプログラムを計画することができた。フランス派遣協会(PRISME)の調査によると、派遣会社は、毎年ANPEによって提供された仕事の11%にあたる、400,000の契約の申込みを処理している。
6000の派遣会社に対し、900のANPEが存在する。
労働者派遣事業に間接的に深くかかわる法律 法律名称 国家の法律(CODE DU TRAVAIL/労働法 など)といくつかの団体協約がある。
EU指令を受けた国内法制の対応状況   EU指令に対応した国内法を2011年12月5日までに制定予定
法律以外に関連する規約   例)L124-3:派遣先と派遣元は配置における契約を結ばねばならない。契約を結ばなかった場合には、関係企業には3750ユーロの罰金が課せられるか、派遣事業への是正をしなくてはならない。
[監督]
監督官庁 中央の監督官庁 所在地の労働監督官

労働法、農事関係社会法および社会保障法の適用の監督にあたる公務員、社会保障機関の職員ならびに司法警察職員。(L.124-13)
  上記の監督範囲 1)届出
2)財政的保証
3)その他の適用事項
なお、派遣の形態は登録型のみである。

主として労働監督官の一般的職務権限にもとづいて行われる。
(備考)派遣元事業主は、毎月、派遣労働契約の記録を失業保険管理機関に提出する義務を負う。(L-124-11,R-124-4)
[労働者派遣制度]
事業の位置づけ   利用事由
恒常的業務ではないこと
(以下のいずれか)
1)欠席社員等の代理要員
2)一時的な増加業務
3)本来的に一時的な業務(季節労働等)
4)雇用政策上の措置
派遣期間
上限:原則18ヵ月、更新1回まで
他の雇用者の代替要員及び安全確保のための緊急作業は最長9ヵ月

労働法典において、労働契約は期間の定めのない者が原則と定められ、有期労働契約についても、締結自由の制限、更新回数の上限制限等、強く制約されている(1990年)。

フランスにおいては、労働者供給事業は、@営利目的を有し、A関係労働者に損害を与える結果となり、かつ法令、労働協約または集団協定、の諸規定の適用を回避する結果になる場合(判例によれば、派遣先企業の常勤労働者の地位を奪ったと立証すればよいとする立場が有力)について、古くから禁止されてきた(原稿L.125-1)。また、派遣労働法制の制定以来、それによらない労務供給事業はすべて違法とされるようになった。そこで、問題は違法な労務供給事業と請負の区別である。


労働力の提供を目的としていると見られる場合=労務提供

判例は以下のような区別の基準を示している。
@業務請負は、作業遂行の責任をもつ。作業の結果に責任を持つ。
A勤務管理の体制、業務請負は、独自の体制で勤務する。
B指揮監督、請負は、独自の作業班で勤務するというだけでなく、管理者が現場に常駐しなければならない。
C料金は労働時間数に応じた支払であれば労務供給
D供給された労務の特殊性(もっとも決定的な基準)
供給された労務が、その企業の一般的業務と明確に区別されるものである場合は、業務請負とされる。逆に、企業の業務の班以内の労務であったり、労務にいかなる固有の技術も要しない場合には、労務供給とされる。
派遣元と派遣労働者との関係   法律上は、労働者派遣(travail temporaire)自体を定義せず、派遣元事業主(entrepreneur de travail temporaire)の定義規定をおいている。
「派遣元事業主とは、あらゆる自然人または法人であって、合意された職業付けに応じて雇用し、そのために報酬を支払う労働者を、一時的に派遣先の指揮命令下におくことをもっぱら業とする者をいう。」(L.124-1)
派遣先と派遣元の関係   労働者の健康、安全のために、業務に伴うリスクは提示する。契約(派遣元・派遣先間)の際には、以下の事項を文書化する。
@リスクを伴う業務のリスト
A特別な医療上の配慮が必要な業務か否か
B上記業務における必要な保護設備
派遣と請負の区分   明確な区分はなされていない。
派遣可能職種   危険業務は禁止
例:特定の化学物質が放出される業務
  発ガス性の作業現場における業務
  核物質・放射性物質のある現場における
  業務
派遣禁止事由   (1)争議参加労働者の代替
(2)危険業務
(3)経済的解雇実施後の6ヵ月間
(4)派遣期間満了後、一定期間経過以前の派遣労働の利用(代替労働、緊急作業の場合を除く)
(5)産業医の派遣労働
労働者派遣契約(必須条項)   派遣労働者契約もまた、労働者派遣契約と同様に、書面により作成され、かつ派遣開始後二日以内に労働者に渡されなければならない。この派遣労働契約の義務的必要記載事項は、労働者派遣契約の内容を再録しなければならない他、以下のとおりである。
・派遣労働者の職業格付け
・不安定雇用手当を含む、報酬の内容
・試用期間を定める場合は、その期間
・派遣労働がフランス国外で履行されない場合には、帰国費用を企業側が負担することを占める条項
・労働者派遣企業が所属する補足的退職年金金庫及び社会保険機関名称並びに住所
・派遣期間終了後に、派遣先企業が当該労働者を雇用することを禁止しないことを示した条項

派遣元企業が書面作成義務を履行しない場合、派遣元企業は刑事責任を負い、かつ派遣労働契約は普通法上の労働契約とみなされる。従って、派遣労働者と派遣元企業との間に期間の定めのない労働契約が締結されていたことになる。
[業界動向]
職種別成熟度 経営・管理職 1)1998年より管理職の派遣が急速に拡大している
【派遣会社における管理職の派遣数】
1999年:61%増
2000年:21%増
2001年:16%増
2002年:22%増
2003年:4%増
2003年:8000人以上の派遣管理職
(割合/第3次産業(サービス業など)53%、工業41%、建設業5%)
2)派遣管理職のうち、55%が29歳以下:若い人にとって派遣職は、キャリアを築くひとつの過程。中高年の管理職も、ますます派遣に傾いている。
  職種別詳細 【派遣労働者増加率内訳】(2004年10月)
非熟練労働者・・・・・年率で13.6%増
(派遣労働者全体の41%)
中間・上級管理職・・・・・年率7.2%増
事務職・・・・・年率6.3%の減少
熟練労働者・・・・・・・年率5.9%減
[派遣先属性]
業界   主な業種:製造43.7%
      サービス20.8%
      建設34.8%

主な業務:非熟練生産労働者38.4%
      熟練生産労働者39.4%
      事務系労働者13.2%
      幹部職・職長・技術者7.4%
      上級幹部職1.6%
(2008年)(PrimeHPより)

産業セクター別派遣労働の利用率(2008年)
農業・林業・漁業1.3%
工業6.9%
   農産物加工業7.5%
   消費材産業5.0%
   自動車産業9.3%
   設備材産業7.1%
   中間材産業7.5%
   エネルギー2.7%
 建設業8.1%
 第三次産業1.7%
   商業1.8%
   輸送4.3%
   金融1.0%
   不動産1.1%
   企業向けサービス2.0%
   個人向けサービス0.5%
   教育・保健・福祉0.6%
   行政・アソシエーション0.5%
   全体3.3%
(出典:PARES-UNEDIC)
派遣利用の理由   1)一時休業中の従業員の代替として
2)退職者の空いたポストを埋めるため
3)常用雇用の従業員を雇用するまでのポストを埋めるため
4)作業負荷の一時的な増加に対応するため
5)一回限りの輸出注文を果たすため
6)散発的な、そして明らかに短期の業務を行なうため
7)安全対策上必要とされる緊急の業務を行なうため
2005年1月18日の社会結合構成法は、新しい 産業部門団体の協約によって実施されるであろう2つの新しい理由を加えた。
8)特殊な社会問題によって生じた失業者の求人を促進するため
9)追加の職業訓練を与えるため

大企業の場合は、欠勤労働者の代替としての利用が多く、小企業では、業務の一時的対応策としての利用が多い。
[派遣労働者属性]
派遣労働の動機   派遣社員の意識調査(2006年度結果)(n=1013人)
大半が派遣を「正規雇用へのステップ」、及び「職業経験・職業能力開発機会を得る手段」として位置づけていることが指摘された。
派遣業界団体のPRISMEの見解では、派遣社員の2割が学校や家庭責任等との両立が図りやすい働き方として派遣を好んで選択していると推定している。
しかし残りの80%は「期間の定めのない雇用契約(CDI)」を希望しており、派遣労働はあくまでも正規雇用へのステップとして捉えているのではないかと同団体は考えている。
さらに、フランスの手厚い失業保険制度を背景に、失業手当の受給資格条件を計算した上で失業手当の受給を目的とする、派遣と失業を行き来する者も一定割合存在することも指摘している。
労働条件 派遣期間 (2004年)平均1.9週間(9.5日間) 平均派遣期間約2.15週間
(2009年)平均派遣期間約1.7週間
年齢・性別 他   男:女:(2008年)男71%、女29%
平均年齢:(2004年)29歳
若年者層の割合:(2008年)64.4% (2009年)62%
[業界規模]
売上   2005年度:1915.6万ユーロ
業者数 法人数 2008年 約1,200社
  事業所数 2008年 7,000事業所
労働力人口   2008年:27,982,000人
2009年:28,268,000人
(出典:ILO HP「LABORSTA Internet:YEARLY DATA-1A Total and economically active population,by age and group」)
就業者数   2008年:25,913,200人
(出典:ILO HP「LABORSTA Internet:YEARLY DATA-2A Employment general level」)
派遣労働者数 常用換算数 2007年 637,901人
2008年 604,318人
2009年 447,348人
派遣労働者浸透率 就業者に占める割合 2008年 2.3%
2009年 1.7%
[協会]
協会名   労働派遣・サービス・斡旋専門協会
(PRISME/Professionnels de l’interim, services et metiers de l’emploi)
http://prisme.eu/web_Accueil/index.aspx
会員 会員数 2005年度 550社
       6,431事業所
  全事業者内での加入率 2005年度 55%
業界売り上げの約90%を占める。
加入の利点   1)法的な援助と情報
専門家が派遣事業に関する法的な質問に答えられる。また、加入後、派遣事業に関する法律の情報(規制改革等)や、労使間の団体協約の調査結果など。
2)経済インフォメーション
派遣事業の実数や、地域別、産業別に規則的に行われる調査結果を報告
3)コミュニケーション
会員は以下の書類を受け取る事ができる。
@「PRISMEの公用文書」:立法や規定や社会を調査したもの。
A月間刊行物:雇用や派遣に関する全国や地方の記事を扱っている
B「PRISME, LE MAGAZINE」というPRISMEのインフォメーションを載せた雑誌(3ヵ月毎)
C研究報告(中高年雇用調査やヨーロッパにおける派遣事業の経済効果と社会的意義等)
D小冊子や出版物(「派遣の社会的または経済的貢献」「派遣へのパスポート」・・・etc)
4)社会事業
労働組合等の団体との交渉とその準備など。
5)地域
9人の地域会長と11人の地域代表
地域会は地域の経過報告書を規則的にメンバーに通知し、各地域で組織される
6)中小企業支援
PRISMEは中小企業の派遣労働者の需要に答えるために、労使協調政策を発展させる
7)職業訓練
FAF.TTやFPE TTの事業はPRISMEに追従している。
*FAF.TT(派遣事業の職業訓練保険基金:1983年に設立)→職業訓練事業に出資する義務を負う代表的組織。
**FPE TT(派遣事業における雇用のための職業基金:1996年に設立)→雇用のために??出資する任務を負う代表組織
また、正社員や派遣労働者の職業訓練に関するすべての質問もPRISMEが従える。
8)国際交流
PRISMEはCIETTに加入しており、その事業に積極的に参加している。
[事業環境]
インターネット活用   PRISMEのホームページよりアクセス可能(会員の派遣会社検索)
ANNUAIRE
http://prisme.eu/pages/annuaire/Annuaire.aspx
労働組合 派遣労働者加盟の労働組合 派遣業界団体と交渉に当たる労働組合は、国が認めた、全国レベルで代表制を有する5つの労組(CGT,CFDT,CGT-FO,CFTC,CFECGC)である。
5つの労働組合は労働協約の締結権限を持ち、「労働協約拡張適用制度」に基づき、締結した労働協約を直接の当事者でない企業と労働者にまで広げることが出来る。拡張適用は政府が決定する。
こうした労働組合の機能が存在するため、フランスの労働組合の組織率は低いものの、労働協約の運用率は政令による拡張適用手続きを経て非常に高くなる。
  団体交渉 【団体協約について】
国の法律といくつかの団体協約がある。派遣産業は、派遣元企業自身の商団体を持ち、団体協約、特に派遣社員への職業訓練や福祉の提供をしている。
数多くの派遣元企業毎の協約は派遣スタッフを扱っているが、派遣産業の総売上高の多くが全国的で多くの職業を扱うごく少数の大企業で構成されている一方で、単純労働の労働者を扱うような非常に数多くの小さい会社でも構成されてることは注意すべき点である。大企業の間で結ばれる団体協約は、派遣業界全体に明白な波及効果を与えるのでその効果ゆえに、非常に重要である。特に、1972年に提起されたフランスの法律の主な特徴は、今ある会社の会社レベルの協定を複製した。しかし、小さい派遣元企業では会社レベルの協定は持っていなく、ただ産業分野レベルの協定によってカバーされているだけである。
派遣元企業の労働者は通常の労働者と同じ仕組みでカバーされている。ほとんどの労働者のように、派遣労働者は、セクターか会社レベルの団体協約の追加項目によってカバーされる。
一般的に派遣労働者に適用される追加項目は、原則として他の多くのセクター分野に適用されているものより不利というわけではないが、他のセクターのように、中小企業の従業員はセクター別協定でカバーされている。特にその内容を全ての会社、最初から締結しなかった会社にさえ強制するような拡大適用するようなとき、カバーされている。しかし、それらは大企業の労働者の協定に匹敵するような会社レベルの協定ではカバーされていない。
障害者雇用   障害者の市民権や社会参加に関する、平等の権利や機会をうたった新法律が2006年1月に施行された。改正されたこの法律は、障害者の労働市場の参加に、より多くの機会を与えるだろう。
中高年の派遣労働   ※PRISMEでは、50歳以上を「SENIOR」すなわち「中高年」と位置づけている。
【2003年のデータ】
33,589人の中高年労働者のうち、派遣社員は6.1%でしかない。
しかしながら、どの年齢区分よりも中高年派遣社員は勤続年数が多い。:派遣で働く中高年の68%が少なくとも2年以上勤めている。
1995年と2003年では派遣における中高年雇用の数は、2倍増加し、派遣雇用の全体数の伸びよりも急速な伸び率である。
(ただ、反面、フランスでは、中高年を労働市場で活用する政策はあまり見られない。逆に、中高年を労働市場から引退させる政策が、長年続いている。特に、オイルショック 後(1970年代半ば以降)の失業率の増加に直面して、若年層の雇用機会拡大を目的に、中高年労働者の早期引退政策が強化された。その最たる例が、 1983年の公的年金支給開始年齢の引き下げである。その他にも、早期・段階的引退時の所得保障制度(プレ年金(注2))が多く存在する。このような政策が採用され続けている背景には、就労意欲があまり高くなく、余暇を重視するフランスの国民性にもひとつの原因があるといえる)
[派遣労働者の待遇]
派遣労働者との関係 派遣元・派遣先 派遣労働関係の場合には派遣元企業が「使用者」であり、それが賃金を支払い、また懲戒権を行使する。派遣先は「利用者(utilisateur)」であり、労働時間や休日、安全衛生などの労務遂行の条件について利用者としての責任を負うことが明記されているが(L.124-4-6 条)、使用者と解されるわけではない。ただし、一定の法違反の場合には、民事制裁として、派遣労働者と派遣先企業との間に期間の定めのない労働契約が締結されたものと性質変更されることになっているため(L.124-7 条)、その限りでは使用者としての地位に立つことになる。
均等待遇 派遣先社員との待遇比較 仕事に応じた給料同額の原則は適用されなくてはならない。臨時採用契約や有期契約でも、派遣先会社で同様の部署で同内容の業務をする従業員が試用期間後に受け取る給料と同額をもらわなければならない。
しかし、この平等は労働者のポストにかかわる報酬にだけ適用があり、勤続用件を有する賃金部分はその要件を満たさなければ受け取れない。
派遣労働者は、仕事の不安定な状態の埋め合わせとして、終了時に不安定雇用手当の受給資格がある。 この手当の支払い額は、業務に従事して受け取った給料通算額の10%である。
派遣労働者は、派遣先の労働者に相当する個人的・集団的権利を享受できるように取り扱わなければならない。派遣労働者は派遣先で労務を提供するから、労働時間、深夜業、休日、祝日、安全衛生等の労働条件につき、派遣先に適用される法律・協約の適用を受ける。
破毀院(Cour de Cassation 日本の最高裁判所にあたる)社会部の判例によると,使用者は労働契約に基づく結果債務としての安全配慮義務(obligation de securite de resultat)を負っている117条。一方で,破毀院刑事部では企業主の一般的な安全配慮義務(obligation generale de securite)を認めてきた。この考え方は1989年6 月12 日のEC 指令に取り入れられ,1991 年12 月31 日法で国内法化されて労働法典に関連規定が挿入されている。
労働法典L.230-2 条は,「事業場の長は,派遣労働者を含む当該事業場の労働者の安全を保証し,その身体的かつ精神的な健康を保護するために必要な措置を取る」と定めている118条。その上で,その措置の内容―危険予防,情報提供,安全教育の3つの活動に大別される―を明らかにするとともに,その実施に当たっての事業場の長の義務をより詳細に定めている119条。なお,各労働者にも自分自身や他者の安全及び健康に留意することが義務づけられている(L.230-3 条)120条。
なお,社会保障法(1898 年4 月9 日の労災補償法)には,無過失賠償責任制度が設けられている。

派遣労働者の報酬に関する原則は、派遣先企業の労働者との平等である。この平等原則は、より正確には次のように定められている。すなわち、派遣労働者の報酬は、派遣先企業において期間の定めのない労働契約に服する同等の職業格付けで同一の職務に従事する労働者が試用期間後受け取るであろう報酬額を下回ってはならない(L.124-6、L124-4-2)。ここでいう報酬とは、基本給だけでなく、使用者が労働者に支払うすべての賃金を意味するが、派遣労働者と派遣先企業労働者と報酬の平等原則は、労働者のポストに係わる報酬にだけ適用となることが注意されなければならない。従って、勤続要件を要する賃金部分は、派遣労働者がその勤続要件を満たす場合に受け取ることができるのである。
派遣元企業は、派遣労働者に対しその派遣期間終了時に不安定雇用手当を支払わねばならない(L.124-4-4)。この手当は、1990年3月24日の全国職際協定により派遣期間中に派遣労働者が受け取る総報酬額の10%と定められている。
  派遣元の違いによる賃金平等 派遣労働者と派遣先の労働者の均等待遇が法律で定められている(雇用形態による差別待遇禁止)。労期間中の賃金や社会保障などの労働条件は、派遣先企業内の同様職種・地位の労働者と同等の扱いであるから、当然同一になる。
能力開発 教育訓練の方法 2000年6月8日に締結された協約では、派遣会社自身が担う役割としての、派遣労働者のための教育訓練プログラムの実施基準が明示された。
2004年7月に、2004年5月の「生涯職業訓練と労使意見交換(FR0404105F)に関する法令」に従って、派遣業界は、従来の教育訓練案全体を修正する協約に署名した。(この協約では、派遣労働者が、自主的にかつ派遣労働での経験を積みながら、別の教育訓練を受けることができるように、派遣会社の教育訓練計画を中断できることも確認した。−この権利は2000年に作られた)
そして、2004年12月には、派遣業界と労働者雇用省と職業訓練庁(la Direction Generale de l’Emploi et de la Formation professionnelle)の(各産業部門別での)集団的同意を結んだ。この同意は、派遣労働者に非常に適した新しいタイプの全従業員統合契約を実現させた。
訓練期間中の派遣社員の身分を保証する為、派遣会社主導の職業訓練の実施期間中は、派遣社員と派遣会社の間に「職業訓練を目的とした派遣契約」(contrat de mission formation)といった派遣労働特有の契約が構築された。訓練期間中に派遣社員が最後に行った契約に基づく賃金が派遣会社から支払われ、職業訓練期間に対する10%の有給休暇保証手当も支給される。ただし、契約終了時手当は支給されない。
福利厚生 制度 1984年の派遣教育訓練保証基金(Fonds d’Assurance Formation du Travail Temporaire, FAF-TT)と、1992年の派遣労働社会活動基金(Fonds d’Action Sociale du Travail Temporaire, Fastt)の設立は、派遣会社がこれら積立金を準備した。
これらの積立金は、Fasttによって、例えば、住宅建設、消費者金融、不動産ローン、共済による保険、奨学金、育児休暇資金として利用する権利を提供している。一方、FAF-TTでは、(教育訓練プログラム、個々の教育訓練休暇、業務経験の交代期間などを決めている)産業部門別協約に従って実施された教育訓練の支払いに積立金を利用している。
1990年から、生活保護、職業訓練、職場での健康管理、組合の権利や派遣労働者の代表権に関する多くの団体協約が派遣業界の中で結ばれた。
最近、2002年から2003年にかけて、職場の安全衛生管理、深夜労働、派遣労働者のための生活保護機構や、派遣労働者に役立つ選択可能な教育訓練に重点を置いた、新しいセーフティネットが導入された。

派遣労働者は、派遣先企業の労働者と同一の条件で、通勤手段、食堂、シャワー、更衣室、スポーツ施設、図書館、保育施設、休憩室等の派遣先企業の福利厚生施設を利用することができる。食堂については、派遣労働者は、派遣先企業の労働者と同率の食券が利用できる。福利厚生施設に関し、派遣先企業の企業委員会がその費用の一部を負担している場合には、この費用分につき、労働者派遣契約に定める方法に派遣元企業が償還しなければならない(L.124-4-7)。
社会保障 保険料負担(雇用者:労働者) 雇用者:労働者=9.8%:6.55%
社会保険の加入責任:派遣会社は毎月末までにUNEDIC (雇用保険資金を管理することに責任がある共同管理組合)への毎月締結された派遣契約と終了した派遣契約をリストにして月例報告として提出しなくてはならない。
  保険料負担に対する派遣先の意識 サービス料金に含めることを前提として、派遣元は、派遣先に費用負担を求める考えが一般的である。
派遣先は派遣元の社会保険料の未払いについて連帯責任を負わなければならない。
[トラブル]
派遣労働者が引き起こした損害賠償   労働者に何らかの非行があった場合、使用者は法律に定められた一定の条件内で懲戒権限を行使することができる。一方、このような場合には、使用者が労働者に直接民事的責任を問うこと、すなわち労働者の契約上の非行に起因した損害の賠償を請求することも選択肢として存在しうる。また、懲戒か民事責任かのいずれを選択するか、それらを重複させることができるかという問題について、法律上特別の制約は存しない。
この問題については、破毀院社会部判例の蓄積により、労働者は過重な非行(faute lourde)の場合にしか使用者に対して民事責任を負わないという原則が確立され、適用されている121条。こうした判例法理は、民法の考え方の例外となるが、これを正当化する論理としては、労働者の従属状態、労働者の支払い能力の限界、実行者の軽率さは企業の通常のリスクであるという考え方などが援用されている。
なお、実務上、労働者が使用者に対する損害賠償を命じられるのはまれなようである。
みなし雇用制度   派遣先が、派遣が終了した派遣労働者と雇用契約を締結するか、新規の派遣労働契約を締結することなく当該者の就労を継続させる場合、この派遣労働者はこの派遣先と無期雇用契約を締結しているものとみなされる。
 
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