発見力 柳本晶一氏インタビュー|はけんWorking WEB VOL.2
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発見力 人材を活かす上司の極意を尋ねてみました

前バレーボール全日本女子チーム監督 柳本 晶一

バレーボール全日本女子チーム監督として、アテネオリンピック、北京オリンピックと2大会連続出場をはたした柳本晶一氏。個性豊かな選手たちをチームとしてまとめ上げていった過程をお聞きしながら、派遣先でスタッフを迎える上司のあり方についても伺いました。

はっきりとした目標設定が一生懸命さを引き出します

女子バレーボール全日本代表だけではなく、男女の社会人チームを率いて結果を出してきた柳本さんですが、指導者、上司が何よりも心がけることは何だと思いますか?

まず指導者や上司は、『無駄なものは絶対にない』と思った方がいいですね。下手は、絶対に下手では終わりません。たとえ挫折があっても続けていくことで、それは経験に変わります。失敗や挫折というのはまったく問題ありません。むしろ、それがバネになって伸びる可能性がある。人には必ず伸びる瞬間がありますから。

どんな人でも?

どんな人でも伸びる瞬間があります。ただ、一生懸命だったらという条件が付きます。だからこそ、指導者はその人が一生懸命にやろうと思える環境をつくることが仕事ですね。

人が一生懸命にやろうと思える環境をつくるために、必要なものを教えてください。

重要なのは目標設定です。代表監督になったとき、オリンピックで金メダルを獲ると言い切りました。金メダルしか狙わへんと。そこで、「がんばって、できれば金メダルを」と言ったら、3位になる程度の努力しかできない。金メダルには絶対届かない。結局、銅メダルを獲ったとします。そこで、悪いことがもうひとつ。やっぱり、金メダルには縁がなかったんだなと自信をなくしてしまう。

勝手に実力がないと判断してしまうわけですね。

目標なんだから、金メダルを目指すべきです。そのうえで、銅メダルだったらどんな気持ちになりますか? 悔しいですよね。この悔しさが自分に足りないものや明日から何をすればいいのかを教えてくれます。そうすれば、半歩でも一歩でも金メダルに近づいていける。結果を恐れてはいけないと思います。

目標設定以外にも、人を育てていくうえで大切なことはありますか?

気をつけてほしいのは、人は必ず伸びるものですが、距離が違うということです。よーいドンでスタートして、1メートル進む人もいれば5メートルの人もいます。世の中には、100メートル進む人もいる。10年にひとりと言われる逸材ですね。共通するのは、みんな一生懸命ということです。一生懸命やって1メートル進んだ人の隣で100メートル進んだ人がいたら焦りますよね。でも、焦らせたらアカン。「あいつ見てみい、こんなに業績あげてるやんか」と言ったら絶対ダメです。それよりも人が伸びた瞬間に、「できたやないか」と言ってやる。上司はその瞬間を映し出す鏡になればいいんです。

つまり、上司はスタッフをしっかり見守る必要があるということですね。

ずっと見ていないといけない。伸びる瞬間を見逃してしまったら、次は半年後、1年後かもしれない。だけど、その間に怪我したら一生見ることができない。伸びる瞬間は一生に1回かもしれない。だから、真剣に向き合う必要があります。僕は、そこが重要やと思います。

“できれば金メダル”では金メダルには届かない“絶対に金メダル”なら、たとえ銅メダルに終わってもその悔しさが自分に足りないものを教えてくれる

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